ドメル艦隊/七色星団の決戦セット解説
私の名は太陽系方面作戦司令長官ドメル。自爆して死んだはずではないかって?はっはっはっ。宇宙戦艦ヤマトにおいて死を語るなど意味の無いことだ。コスモクリーナー起動時に事故死した森ユキを筆頭に、我がデスラー総統、そしてあろうことかあの沖田艦長までも佐渡先生の「わしの誤診じゃった」の一で生き返ってしまったのだよ。もとより「さらば宇宙戦艦ヤマト」はなんだったのかと云いたいとこだが、取り敢えず私は爆発の際、次元の裂け目に落ちて助かったということにして貰おう。さて製作者に代わって私が作品の解説をさせて貰う。男の宝石、バンダイヤマトメカコレを使い、云わずと知れた宇宙最強の我がドメル艦隊をオブジェ風にジオラマナイズした七色混成発光星域、通称七色星団ジオラマだ。お馴染みの第一、第二、第三空母と戦闘空母に、フルスクラッチのドメル艦隊旗艦ドメラーズ二世とドリルミサイル重爆撃機、七色星団の星々と暗黒星雲を模した土台を作成し、ヤマトとの決戦の一場面を再現、ディスプレイ出来るようにしたものである。ヤマトファンの諸君なら既に知っているだろうと思うが、このバンダイメカコレの三段空母と戦闘空母は我が艦隊のものとは若干形状が異なる。しかしだ諸君。そもそもこの1stシリーズのヤマトにおいては、シーン毎、いやカメラアングルが変った次の瞬間に、様々なメカの色や形状が変るのは当たり前のことで、今回のメカたちも本当のカタチがどうなってるのか私にも良く判らない。そんな具合なので三段空母はほぼストレートに組立てた。下手にいじるよりこのプラモデルとしての解釈を楽しんだ方がいい。色もバックの黒に映えるように、ちょっと鮮やか目に塗ってある。そもそも30年前に本放送をテレビで観た時、ヤマト専用に調色された特製のペイントが使用されていたこともあって、それまでのアニメとは格段に違う色の表現の素晴らしさに魅せられたものである。その頃の作者の家
のカラーテレビはちょっと色が濃い目に映る機種だったため尚更鮮やかだった印象が残っていて、そのイメージも織り交ぜてみたようだ。特に第一空母はパッケージの緑が綺麗だったのでそれに合わせた。カタチにしてもだいたい最初に見た時は、ゾウが踏んでも壊れないサンスター筆入れ(お若い方はご存知ないかな)が飛んでいると思った程四角かったのに、モデルでは舷側がふっくらしている為ただの箱ではなく優雅な曲面を構成している。さらにアニメでは三段甲板は各々の立ち上りの幅の位置が違うはずなのに上から見た時幅が同じになっているのだ。つまりあのフォルムはアニメの
中の二次元の世界でしか通用しないもので、それを独自の解釈で三次元化したバンダイさんの勇気と知恵と決断に敬意を表したい。ただ最上部の甲板だけモデルの取付位置の指示場所より、可能な限り後ろに下げた。本来はこの最上部甲板は胴体後端とツライチなのだ。最上部甲板をギリギリ下げることにより、三段甲板がずいーっと前に伸びているあのスタイル(三隻の空母が整列して着陸してるところをハイデルンが上から見下ろす場面)に気持ちだけ近づけたような気がする。次に戦闘空母だ。これはデスラー総統が旗艦に使っていたもののため、やはり我が艦隊の仕様とは細部が異なっている。作例では最低限誰もが行う甲板の改造のみ行っている。左舷の張り出しデッキを取り、右舷にアングルドデッキを付けた。ここで又問題なのだが、この張り出し甲板上に引かれている白線の数が場面によって変るのである。作例では、白で塗装したマスキングテープを1本ラインにして貼ってある。私はこの1本が好きなのである。甲板は飛行甲板と武装甲板をリバーシブルにしてある。ひっくり返して遊べるぞ。飛行甲板も白線が3本になる場面もあるが、こちらはご覧の状態で塗装している。さてその戦闘空母に座しているドリルミサイル重爆撃機の説明に行こう。戦闘空母に載っている状態だとややオーバースケールに見えるが、このドリルミサイルはメカコレヤマト(写真は未完成のモノ)の波動砲口にサイズを合わせて作成したので、おのずと重爆がこの大きさになった。おまけにランディングギアがあるため一層ずんぐり見えると思う。しかしヤマトの直前に瞬間移送されて現れた時の、第一艦橋の窓越しの映像だと、この倍くらいの大きさだがね。ドリルミサイルはもちろん脱着式である。ドリルミサイルのドリル部は最初の場面では黒地に黄色の螺旋ラインだったが、発艦時から逆になる。作例ではその逆になった黄色地に黒の螺旋で作成した。またドリルの先端を平らに落とし、赤で塗ってある。そう。アナライザーと真田工場長が侵入する口だ。まぁこの写真じゃ確認出来ないかもしれんがね。そしてこの重爆、尾翼が5枚あるが4枚になる場面もある。滑走から発艦後のショットまでは真中の垂直尾翼があ
るのだが、その後ドメラーズ二世の前面に移動する場面からはなくなり、V字型の尾翼になる。しかし瞬間移送されてヤマトの面前に現れた最初のショットでは垂直尾翼があり、ユキがたまげて尻餅ついた後の映像ではすでに無くなっている。どっちにしろ宇宙空間では翼そのものが必要無いと思うが、発艦後空気抵抗を軽減するため、垂直尾翼を収容するように設計した我がガミラスの兵器部のこだわりが見て取れるだろう?そして我が艦隊旗艦だ。ちょっと大きかったかなと思ったがこれは場面によって船そのものの大きさが変るのだ。ヤマトの第三艦橋の下に接近する真横からのショットだとこれでも小さいくらいだ。ところがヤマト艦底に接舷したら小ちゃくなっているぞ。さすが我がガミラス兵器部、恐るべき技術だ。作者もこだわり過ぎてディティールを作り込み過ぎたようだ。瞬間物質移送光線発射機からつんつんと出ている触角のような奴はこんなにデカくないが、形状を正確に再現したため大きくなっちゃったとのこと。しかしそんなガミラスの技術をもってしてもあのヤマトのダメージ復元能力にはかなわない。主砲なんかぼこぼこ吹っ飛ばされてるのに3分と経たぬうちにまた撃ってるではないか。このドメラーズ二世の自爆攻撃を喰らった後など、身を取られて尚、水槽に入れると骨だけで泳いでる活け造りの魚のように、フレームむき出しになって漂ってたのに一週間で元に戻るからな。最後に土台の七色星団について説明せねばなるまい。木製の芯材を組んで石膏粘土で肉付けし、艶消し黒で塗装後、さらに艶消しクリアーで仕上げてある。そんなことより諸君らは「星が1個足りないじゃないか」と突っ込もうとしているんじゃないのかな?最初は私も7色星団って7色の星で出来ているものと思っていたのだ。ところがビデオを見直してみたら、ゲール君との戦闘宙域選定会議において彼の解説の中で「七色混成発光星域、通称七色星団です。それぞれ違った習性に基づく六つの星と、ガス状の暗黒星雲とからなる混成星団。」とある。その際のディスプレイにも六つの星と暗黒星雲が映っている。つまり六つの六色の星と暗黒星雲の黒で七色と云うことになるのだ。ところがだ!その後沖田艦長以下乗組員が別れの水盃を交わした後、ヤマトが七色星団に進入してくる場面では星が七つになっているのだ。この製作者は詳しい資料本など持ってないし、映画版のビデオだけを頼りに画像をパソコンに取り込んでプリントアウトしたものを資料として全てを作成した。だから画面に出て来るものだけを基準にしている。この製作者はあくまでもプロモデラーではなく受け狙いモデラーだ。ヤマトのテーマは宇宙をも包み込む壮大な「愛」だが、この製作者のテーマは「受」だ。それでは諸君、「バカな奴」と受けて頂けることを願う。デスラー総統、バンザーイ!

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